「この70点は、何の点数ですか」——AI面接を導入すると、社内で必ずこの質問を受けます。候補者本人から問い合わせが来ることもあります。
ここに答えられないサービスは、選考の道具としては使えません。本記事では、AI面接のスコアが何を根拠に算出されるのか、その仕組みと確認方法を解説します。
AI面接の採点方法は大きく2種類ある
AIが直接点数を出す方式
回答を読み込んだAIが、そのまま点数を出力する方式です。手軽ですが、なぜその点数になったのかを説明できず、同じ回答でも実行のたびに点数が変わることがあります。選考の根拠としては不安が残ります。
基準表にもとづいて判定する方式
事前に定義した評価基準表に照らして、回答がどの水準にあたるかを判定し、計算式で点数に換算する方式です。同じ回答なら常に同じ点数になり、再現性があります。根拠を説明できるのはこちらの方式です。
評価基準表とは何か
評価基準表とは、職種ごとに評価項目と観点を事前に定義した表です。各観点について、1〜5の水準を文章で定義します。
例:接客態度の水準定義
- 1点挨拶がなく、応対に不安が残る
- 3点基本的な応対はできるが、安定していない
- 5点笑顔・挨拶・敬語が安定し、好印象を与える
このように水準を文章で定義しておくことで、「なぜこの点数なのか」を後から説明できるようになります。
点数はどう算出されるか
回答がどの水準かを判定
AIの役割は「候補者の回答が基準表のどの水準にあたるか」を、根拠となる発言つきで判定するところまでです。点数を直接決めるのではありません。
判定結果を計算式で換算
各観点の水準(1〜5)を計算式で100点満点に換算します。たとえば3観点が4点・3点・4点なら、平均3.67を100点換算して73点となります。
同じ回答なら同じ点数
計算式で算出されるため、同じ回答であれば常に同じ点数になります。この再現性が、社内説明にも候補者への説明にも耐える根拠になります。
合格ラインの60点は何を意味するか
合格ラインの60点は、「最低限の合格水準」に対応する点数です。その水準の中身は、基準表に文章で定義されています。単なる数字ではなく、意味のある境界です。
合格ラインは企業側で変更できます。求める人材像に応じて、基準を上げ下げできる設計になっているかを確認しましょう。
根拠はどこまで遡れるべきか
- 評価レポートに、判定の根拠となった発言を原文で表示する
- 面接動画の該当箇所から、その発言を再生して確認できる
- 「AIがそう判断したから」ではなく「この発言があったから」まで確認できる
測定できなかった項目はどう扱うべきか
質問がなければ測定できない項目があります。その場合、低い点数をつけるのではなく「未評価」とすべきです。測っていないものを平均に混ぜると、点数の意味そのものが壊れてしまいます。
点数そのものより大切なのは「その点数を説明できるか」です。基準表・計算式・根拠となった発言——この3つが揃って初めて、AI面接のスコアは選考の道具になります。
サービス選定時に確認すべき5つの質問
- 1評価基準表を見せてもらえるか
- 2同じ回答を2回入力したとき、同じ点数になるか
- 3点数の根拠となった発言を確認できるか
- 4評価項目と質問が対応しているかを確認できるか
- 5必須要件と評価項目が分けて表示されるか
まとめ
AI面接のスコアは、「AIが総合的に判断した点数」であってはいけません。評価基準表にもとづき、計算式で算出され、根拠となった発言まで遡れる——この状態をつくることが、説明できる選考の条件です。
サービスを選ぶときは、点数の高さや機能の多さではなく、「なぜこの点数なのか」に答えられるかを基準にしてください。
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