調剤薬局業では、薬剤師や医療事務などの採用を本部と各店舗が分担し、地域ごとの欠員や配属条件に合わせて選考を進めます。
アイングループでは、2026年4月の新卒薬剤師採用数が737人です。全国規模で選考を進める場合、候補者への質問や記録方法をどうそろえるかが論点になります。
日本調剤は連結従業員数6,063人、全国約750店舗を運営しています。年間採用数は非開示であり、店舗規模だけから実際の面接件数を断定することはできません。
本記事では、店舗ごとに面接を行う際に評価が分かれる理由を整理し、AI面接へ任せる範囲と人が判断する範囲、試行時に確認する評価項目を具体化します。
737人
アイングループの新卒薬剤師採用規模
出典:アイン 公開情報
約750店舗
日本調剤が運営する全国の店舗規模
出典:日本調剤 公開情報
約1,000店舗
クオールグループの店舗規模
出典:クオール 公開情報
店舗ごとに面接評価が分かれる理由
全国の店舗で採用を進めると、同じ候補者でも質問の順番や掘り下げ方が変わります。評価表があっても、回答のどこを見るかが共有されていなければ点数はそろいません。まず、差が生まれる場面を分解します。
店舗ごとに質問の深さが変わる
同じ応募書類を見ても、店舗長は接遇を、本部担当者は転職理由を中心に聞くことがあります。「服薬指導で説明が伝わらなかったとき、どう対応しましたか」と尋ねる人もいれば、経験年数だけで終える人もいます。評価は分かれます。質問の範囲が違えば、候補者を横並びで比較できません。
複数職種を同じ基準で見てしまう
薬剤師、医療事務、登録販売者では、確認する業務経験が異なります。ここが分岐点です。薬剤師へ使う「疑義照会の経験はありますか」という質問を医療事務にも流用すると、職種に合う行動を拾えません。クオールグループのように複数職種を募集する企業では、職種別に質問と判定基準を分ける設計が要ります。
本部と店舗で記録の粒度がそろわない
本部が「説明は明瞭」と記録し、店舗側が「受け答えに不安」とだけ残すと、判断の根拠を後から比較できません。何を聞いたのかも不明です。日本調剤は全国約750店舗を運営しており、各地で面接する場合は記録形式の統一が論点になります。「どの回答を根拠に評価したか」まで残す運用へ変えるべきです。
面接運用をそろえるための施策
AI面接を入れるだけでは、評価差は消えません。質問、判定基準、人へ引き継ぐ情報を先に決め、店舗と本部が同じ記録を読める状態を作ります。導入前に手順を固定し、小さな対象から検証します。
職種別の共通質問を固定する
薬剤師には服薬指導や疑義照会、医療事務には受付やレセプト対応など、職種ごとに共通質問を設定します。質問は混ぜません。「患者から強い口調で質問された際、どう対応しましたか」のように、過去の行動を聞く形へ統一します。AI面接では全候補者へ同じ順序で問い、回答を人が確認します。
回答と判定理由をセットで残す
点数だけを保存すると、店舗と本部で解釈が割れます。根拠を残します。「専門用語を言い換えた経験を具体的に説明した」など、回答の該当箇所と判定理由をセットにします。AIが作った要約だけで合否を決めると、発言の前後関係が落ちる場合があります。担当者は元の回答も読み、評価のずれを修正すべきです。
限定した募集で試行する
全店舗・全職種へ一度に広げると、質問設計の誤りが複数の選考へ波及します。小さく始めます。たとえば特定職種の一次確認に絞り、「この店舗で働く際に確認したい条件は何ですか」と質問します。回答漏れ、候補者の離脱、人の評価との食い違いを確認し、質問や運用を直してから対象を広げます。
AI面接で何がわかるのか
AIは何を評価できるのか。回答内容の記録や質問順の統一には使えますが、薬剤師としての最終的な適性や配属可否を単独で決めるものではありません。評価項目ごとに、確認できる範囲を区切ります。
ZeroInterviewのAI面接は、対面面接を「置き換える」ものではありません。一次スクリーニングとして、対面面接の「前段階」を担うものです。
評価項目
AI面接では、以下の4つの観点で候補者を評価します。
患者対応の説明力
薬の説明では、相手の理解に合わせて言葉を選んだ経験を確認します。「専門用語が伝わらない患者へ、どう言い換えましたか」と聞けば、説明の順序や具体例は評価できます。ここを見ます。一方、実際の店舗での表情、声量、患者との間合いまではテキスト回答だけで判定できないため、人による対話を残します。
確認と報告の行動
調剤や受付では、不明点を自己判断で処理せず、確認した経緯を話せるかを見ます。「処方内容に疑問を持ったとき、誰へ何を確認しましたか」と尋ねます。答えは行動に出ます。AIは回答の有無や説明順を記録できますが、その対応が個別業務で妥当だったかは、薬剤師や現場責任者が内容を確認します。
職種への理解
応募者が希望職種の仕事をどこまで理解しているかを確認します。「薬剤師と医療事務の連携で、自分が担う役割をどう考えますか」と質問します。曖昧さが見えます。AIは回答内の経験や希望を整理できますが、配属店舗の業務範囲との一致までは決められません。店舗側が実際の役割と照合します。
勤務条件の認識
店舗ごとに営業時間や募集条件が異なる場合、候補者の認識違いが選考後に判明することがあります。「提示された勤務時間と配属地域をどう確認しましたか」と聞き、回答を記録します。条件は明示します。AIは確認済み項目を整理できますが、個別事情への配慮や条件変更の判断はできません。採用担当者が候補者と直接調整します。
評価レポートの内容
AI面接が完了すると、ダッシュボードに各評価項目の100点満点のスコア、候補者の強みと改善点のサマリー、AIによる総合コメント、面接の録画動画と文字起こしがまとめられます。
採用担当者はこのレポートを見て、自社の基準に合う候補者かどうかを数分で判断できます。気になる候補者は録画動画で実際の話し方や人柄を確認してから、最終面接に進めるかどうかを決められます。書類選考だけでは見えない「人となり」が、対面で会う前にわかる。これがAI面接の最大の価値です。
AI面接を組み込む活用シーン
採用人数や職種を問わず全面導入するのではなく、質問の統一や記録作成が役立つ場面から試します。人の確認を残す位置も同時に決めます。
新卒薬剤師の一次確認
応募者が多い新卒採用では、全員へ同じ質問を行い、回答形式をそろえる場面で使います。アイングループの2026年4月の新卒薬剤師採用数は737人です。「実習で患者への説明を工夫した場面を教えてください」と尋ね、経験を記録します。合否は自動で確定せず、人が回答内容と面接を合わせて判断します。
店舗別欠員に伴う継続採用
欠員が生じた店舗ごとに面接を任せると、質問内容や記録方法が変わる場合があります。基準を固定します。AI面接で「希望する勤務地域と時間帯を教えてください」と確認し、本部と店舗が同じ回答を読みます。ただし、勤務条件の調整や配属決定はAIへ渡さず、担当者が候補者と話して決めます。
複数職種の応募振り分け
薬剤師、医療事務、登録販売者を並行して募集する場合、応募職種に応じて質問セットを切り替えます。混同は避けます。「これまで担当した受付業務を教えてください」と医療事務へ聞き、回答を職種別の評価表へ記録します。AIが応募者に合う職種を断定せず、本人の希望と各求人の条件を採用担当者が照合します。
店舗面接前の情報共有
店舗面接の前に、本部が候補者の回答を整理して渡す使い方です。「前職で周囲へ確認した場面」を共通質問で聞き、回答全文と要約を店舗長へ共有します。先入観は残ります。AIの要約だけを読むと発言の細部を落とすおそれがあるため、店舗長は元の回答も確認し、対面では不足部分を掘り下げます。
よくある疑問
Q. AI面接だけで薬剤師の採用可否を決められますか?
AI面接だけで採用可否を決める運用は避けます。質問の統一、回答の記録、説明順の整理はできます。一方、薬剤師業務の知識が実務で使えるか、患者との間合いが合うか、店舗の体制に適合するかは判定できません。薬剤師や採用担当者が回答内容と対話を基に最終判断します。
Q. 店舗ごとの評価差はAI面接でなくせますか?
店舗ごとの評価差を完全になくすことはできません。同じ質問を同じ順序で出し、回答を共通形式で残すことはできます。ただし、回答の受け取り方や配属店舗との相性判断は人によって変わります。評価理由を記録し、本部と店舗が定期的に判定例を見比べます。
Q. 薬剤師と医療事務に同じ質問を使えますか?
共通質問は使えますが、すべてを同じにしてはいけません。転職理由や勤務条件は共通化できます。一方、服薬指導や疑義照会は薬剤師向け、受付やレセプト対応は医療事務向けに分けます。「その職種で実際に取った行動」を聞けない質問セットでは、経験を比較できません。
Q. 導入時はどの採用から試すべきですか?
質問と評価基準を定義しやすい一つの職種から試します。たとえば一次確認に範囲を絞り、回答漏れ、離脱、面接官との評価差を記録します。いきなり全店舗へ広げません。AIの判定を正解とせず、人の評価と食い違った回答を読み直して質問を修正します。
導入は最短即日
ZeroInterviewの導入に、大がかりなシステム構築は不要です。
無料アカウントを作成する
約1分で登録が完了します。
求人情報を登録する
約5分。募集職種や評価したい項目を設定します。
AI面接リンクを応募者に送る
発行されたリンクを送るだけ。最短即日で運用を開始できます。
AI面接は、全国の店舗で質問と記録形式をそろえる道具として使えます。ただし、薬剤師としての実務判断、患者との関わり方、配属条件の調整まで任せるものではありません。まずは一つの職種や一次確認に範囲を絞り、人の評価との食い違いを記録します。その結果から質問と判定基準を直し、次の対象を決めます。
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